企画名

自然現象の構造把握:点から線、線から面へ
 

参加教員

教員名 所属 職名
松本剛 物理学・宇宙物理学専攻(物理1) 助教
大谷真紀子 地球惑星科学専攻(地物) 准教授
坂崎貴俊 地球惑星科学専攻(地物) 准教授
宮﨑真一 地球惑星科学専攻(地物) 教授
市川正敏 物理学・宇宙物理学専攻(物理1) 講師
小山時隆 生物科学専攻(植物) 准教授
根田昌典 附属サイエンス連携探索センター 特定教授
 

企画の概要

MACSのひとつのモットー「狙ってもできない新たな学問分野の自発的創出を促す」ことへの一つの道筋は、とにかく現場にいって面白そうなものを見てみる、測ってみることから始まると考えられる。本SGではこれまで学生や教員が面白そうだと提案したものを実際に見に行って圧倒されつつ、何かしら測って帰ってきた。しかし、この後、数理とつなげるときには測定について不満が残ることが多かった。ここでのひとつの光明は、文字通り俯瞰的な測定を可能にしてくれたドローンであった。
地形パターンなどの(観測している時間スケール内で)静的なものはドローン測定は強力である。2024年度の本SGで測定した阿蘇の火山噴出物でできた丘(米塚、高さ80メートル)は、みごとに噴出物の安息角(約30度)をなしていた!しかし、その一方で動的なものを捉えてみたい欲望がある。ドローン1点から動画を取ることでそれなりの情報が得られる場合もあるが、対象が3次元的な変化をする場合などには1点ではなく2点、数点での撮影が必要となろう。このように点から線へとデータ取得範囲を広げることで、自然現象の構造変化、パターンの変化をとらえることを本企画での技術的な目標としたい。これは複数台ドローンの集団制御という面白い課題にもつながる。
例えば、強い風に揺さぶられる1本の木の動きは多点撮影で時間、空間変動をどこまで明らかにできるであろうか?他には地表近くの温度や湿度がある。過去の1点ドローン上昇測定で得たデータを鉛直線上だけでなく、もっと空間的な温度変動を捉えたいと考えている。これらを踏まえたSG活動のフィールドワークでは静的なターゲットとして能登半島での地震による地形変化、動的なターゲットとして温度や湿度、同様に海の波や渦潮の動的かつ3次元的な解析を行いたいと考えている。この他にもドローンにこだわらず、スマートフォンのカメラでも対応できるようなスケールの同期現象といった対象の測定や解析も行っていきたい。

実施期間・頻度

実施期間は通年。毎月2回程度の定期ミーティングを行う。またこの間に2、3回ほど数日間のフィールドワークに行く予定である(9月と11月など)。定期ミーティングではセミナーや議論の他に、理学部植物園でのドローンの操縦練習や計測の新アイデアのテストも行う。

TA雇用の有無

有り

その他、特記事項など

本計画は2024年度SG6の後継課題である。

問い合わせ先

松本剛 takeshi@kyoryu.scphys.kyoto-u.ac.jp